最後から2曲目に上がってきた曲で、弘田さんの習性なのか所謂POPS展開の曲(A-B-C-2A-2B-2C-間奏-B-Cみたいなやつ)がそれまでなかったというのに、この曲でまさかのPOPS展開!こういう雰囲気の曲は短い歌詞で語らせることが多いのに、どこまでも天邪鬼なお方です。どうしたものかと思いながらもらった曲を聴いていたら、突然「数え歌にせよ」という神のお声が。その神託のままに歌詞はするすると紡ぎ上げられ、気づけばこんな業深い詞になっていました。水に流るる燈籠の夜の水面にきらめく様を、泉鏡花の描くような美しくも儚く、そして残酷な光景を思い浮かべつつ聴いて頂きたいです。(みとせ)
わずか2時間ほどで出来上がった曲。作曲家としては時間をかけて練り上げた作品の方が良いものと思いたいものですが、えてしてあっという間に出来た曲の方が、評判が良かったりします。ギターは最初からガット弦のイメージを持っていました。ガットギターやバイオリンなどの収録が終わった後に、エンディングの盛り上がりを編曲したので、レコーディング参加者は「こんな終わり方だったのか」と驚いているかもしれません。心の中に溜まっていた感情が解放され、気持ちが浄化されるようなカタルシスのある終わり方にしたいと思っていました。聴き終えた時に、幻想的な短編小説をひとつ読み終えたような感覚になってもらえますように。(弘田)